2009年5月14日木曜日

中国の土壌汚染問題

本日の日経BPオンライン記事「悲鳴をあげる中国農業」(ログインが必要です)で、中国の水問題・土の問題が出てました。 おもしろかったです。

 中国の水環境の悪化は、昨年日本国内の様々メディアでも取り上げられていましたが、あまり話題にならないのが中国の土壌汚染問題じゃないでしょうか。(おととしぐらいに、毎日新聞で広東省の土壌汚染の写真が大きく掲載されていた記憶はありますが。)この記事を読んで思ったのは、やはり中国の土地の所有権制度が農業に及ぼす影響は、根が深いということです。所有していない土地なんて、やはり大事にするわけがないと思います。

 私もこれまで2年~3年間にわたり、中国の土壌汚染問題の情報収集をしていましたが、まず中国の「大気汚染」「水質汚染」に対する関心は日本でも中国でも高かったですが、「土」となると、なんだか急にトーンが下がります。

 特に、「重金属汚染」という視点から見てみると、日本の水俣病の経験などが伝わり、一部関心が高いことがうかがわれますが、重金属となると、おもちゃ等に含まれる塗料などのほうに関心が行くようです。

 「農業汚染土壌の理論と実践」(鄭国璋著/博士文庫)を、読んでみると、中国での土壌汚染は、一般に鉱山など自然由来の重金属汚染も中国では広範囲に広がっていることのほかに、有鉛ガソリンの影響等による都市道路付近の重金属汚染が広まっていることがわかります。

 都市近郊で作られる野菜の中にも、高濃度の重金属が含まれているデータもあり、中国でも意識を持つ人が増えてくれば、大きな社会問題になる可能性を秘めていると思います。

 じゃあ、どうすればいいのでしょうか、土を浄化すればいいのか、といっても、恐らくそこはまずコストの問題、費用対効果の側面から、なかなか土の浄化は進まないでしょう。

 今日の記事を読んでいても、安全な農作物をつくるために、土をきれいに、なんて発想はまだまだ遠い道のりなのかな、という気がしました。

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