先日、母の日のプレゼントを買いに日本橋にある某百貨店に買い物に行きました。
店員さんと、あれやこれやと相談した後、商品を決め、会計が済んだところで、
「お客様、傘はお持ちですか?」と、聞かれました。
「いや、ここに入ってきたときは雨は降っていませんでしたよ」
というと、店員さんは、
「今、店内の音楽が『雨に唄えば』に変わりましたね。外は雨が降っていますよ」
確かに、外に目をやると、傘がちらほら見え、店内には静かに♪I'm singin' and dancin' in the rainと流れていました。
最近、日本の百貨店は大変な窮状に陥っているようですが、百貨店で買い物をすると、店内はいろんなノウハウの固まりで支えられているんだな、と思います。
それにしても、買い物客が少ないものです。店員さんと話をするのは持ってこいのシチュエーションですが、人によっては、こういう買い物スタイルは嫌なんでしょうね。私は、おばさんなので、わりと好きなのですが。
中国商務部のサイト「商務予報」(天気予報のビジネス版)によると、中国の百貨店の売り上げ高は今年、30%前後の増加率を示しています。天気予報でいえば、「晴れ」ですね。
ただし、中国の小売店のカテゴライズでいうと、「大中型百貨店」というのは、今「大型商場」と呼ばれる大型ショッピングセンターに押されぎみなのも事実です。
2008年、百貨店という業態で登録された企業の、売上高ランキングは以下のとおりです。
単位:万元
1 大商集团 (大连) 6,255,500
2 合肥百大 (合肥) 1,940,000
3 山东银座 (济南) 1,871,594
4 天津一商集团(天津) 1,780,000
5 新世界百货 (香港) 1,480,000
6 南通文峰大世界(南通) 1,410,139
7 利群集团 (青岛) 1,386,877
8 长春欧亚集团(长春) 1,213,044
9 武商集团 (武汉) 1,150,000
夜の武漢の新世界百貨
百貨店単体の売上ではないのですが、各地方都市の主要プレイヤーです。各社とも、現在各地方都市に出店を続けていますので、国取り合戦のような絵巻物とか、モノポリーみたいなゲームとか作ると市場の構造がわかりやすくなるかもしれませんね。
計画経済時代から発展した売り場は、たとえば、お会計までの導線ひとつとっても、「本当に売る気あるのか」という気分にさせられることがあります。
「釣銭を投げるな」、とか、「笑顔を作れ」、という接客態度だけじゃなく、何か知恵のようなものが欠如している気がするのです。
この先、大型商場との棲み分け、購買者のセグメント化がされてきたときに、百貨店はどういうサービスを提供するんでしょうか。
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